2006 秋: 2006年9月12日

ハリケーン峡谷

食事とトイレを終えて展望席に戻ったあたりから列車は標高を上げ始め、山の頂は真紅の低木から岩場に変化していき、線路沿いの木々も黄色を濃くし始めます。
マッキンリーが再び左側の車窓に顔を出し、シャッターチャンスということで、みんな写真を撮ろうとするのですが、沿線の木々が邪魔をしてなかなか良い構図が取れません。

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「これが日本だと沿線の木々をなぎ払って、シャッターチャンスを作ってくれるのに...」と思ってしまいますが、ここはアラスカ。「まあ、曇って見えないこともあるんだから、見えただけでも...」と思って、記憶の中に美しい光景を留めました。

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しばらくすると列車は徐々にスピードを落とし始めて停車しました。
これまでも景色の良いビューポイントが近づくと、スピードを落としていたのですが停車したのは初めて。何事かと思って窓の外をみると鉄橋の上で機関車が止まっています。

「ハリケーン峡谷よ」というガイドさんのアナウンスと同時に列車は徐行を始め、しばらくしてまた停車。
今度は自分たちの乗った車両が鉄橋の上で停車し、眼前にはハリケーン峡谷の絶景が!

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鉄橋の上に停車していた時間は、ほんの5分ぐらいでしたが、大満足の絶景でした。

アトラクション

ハリケーン峡谷の興奮が落ち着き始めたころ、列車が再び停車しました。
「今度は何事!?」と思っていると、ガイドさんが両手を耳の後ろにあてて「ムースの真似をするのよ~~」と言っています。

しばらくするとゆっくりと列車が動き出し、左側を機関車が通過していきます。どうやらフェアバンクスからアンカレッジに向かう列車とすれ違いをするようです。
で、次の瞬間、目に飛び込んで来た対向の車両に乗っている皆さんは、みんな同じムースの真似をしています!(爆笑)
こちらもみんな面白がってムースのまねをして返していると、中にはクマの真似をしたり、オオカミの真似をしている車両もあったりして、すれ違いが終わるまで車内のテンションは上がりっ放しでした。客車のすれ違いがある夏ならではのお楽しみですね。

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列車は大陸分水嶺になっているサミットレイクを越え、車窓の風景はゴツゴツとした岩肌をむき出しにした急峻な山々に変わってきます。デナリ公園駅まであと1時間ほど。車内ではお土産品の車内販売が始まりました。タンブラーやマグカップ、Tシャツ、トレーナー、帽子、ぬいぐるみ、書籍など、いろんなものを販売してくれます。

が、ここでも一興。お客さんが車内販売のモデル兼売り子に変身!車内は大盛り上がりでした。

道路工事

「アトラクション」が終了した頃、列車の右側にはネナナ川の流れが続き、今日宿泊するデナリ・リバーキャビンも車窓から見えます。ほどなくしてデナリ公園駅へ到着。楽しかったアラスカ鉄道の旅もおしまい。

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公園駅でホテルからの迎えのバスに乗り換え。
バスには「Kantishna Roadhouse」の文字。ドライバーさんもどこかで見たことのある女性。
そうそう「Kantishna Roadhouse」のホームページに写真が載っていた女性ドライバーさんだ。

バスの車内は土埃まみれで座席もスクールバスを改造したような感じ。クッションもぜんぜん効いておらず、道路の凹凸が直接お尻に伝わってきます。
カンティシュナに行く時は、このバスで6時間も移動するわけですね。大変そう。。。

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「ホテルまで10分くらいなんで少し我慢してくださいね~」という現地ガイドさん。
よかった、それくらいで。。

が、しかし。アラスカ鉄道の駅を出発して約10分。あと少しでホテルというところでバスが停車。
しばらく動きそうにありません。どうやら渋滞のようです。

ホテル手前の橋を工事していて、そのための工事渋滞だとか。
「今、コンクリートを入れているみたいなので、結構時間がかかりそうです...」という現地ガイドさん。

デナリは9月中旬になるとすべての施設がクローズされて、許可が無いと立ち入ることができなくなり、9月下旬になると雪が降り始めるそうです。そのためこの時期は毎年、公共工事も急ピッチに進められるのだとか。
まるで冬眠する動物の冬支度みたい。。。

結局、現場に40分近く停車。駅からホテルまでは1時間近くかかりました。。。。
アラスカで渋滞に巻き込まれるなんて、滅多にできない貴重な経験です。疲れましたが。。。

We Close Tomorrow

ホテルのフロントオフィスに集合して部屋の鍵を渡された後、現地ガイドさんからホテルの説明と明日のご案内。

「明日の午前中一杯でホテルはクローズされるので、スーツケースは部屋の外に出しておいてください。スーツケースには絶対に貴重品は入れないでください。手荷物としてツアー中も持ち歩いてください」とのこと。
う~ん、パソコン持ちには厳しいお話ですが、仕方ないですね。クローズの日に宿泊しているなんて滅多にできない経験ですし。

「あと、明日のデナリ公園のバスツアーの注意事項です。朝食代わりのボックスミールに小さいお水は入っていますが、足りなくなるので必ずお水を買っておいてください」

現地ガイドさんの言葉と同時に、みんなミネラルウォーターに殺到。あっという間に売り切れ。
たけなべ は出遅れてしまいました。

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ホテルのスタッフに「もう無いの?」と聞くと、「もう無いよ。明日でクローズだもん」だって...。
クローズ直前のツアーに参加したからこその貴重な経験をしまくりです...。


ホテルの部屋は趣のあるキャビンの一室。アラスカの自然を感じさせる外観......までは良かったのですが、室内に入ると化学物質に少し敏感な自分にとっては少しつらい。接着剤かな?
窓と扉をしばらく開け放ち、空気を入れ替え。

そろそろいいかな?と思って、洗面台の窓を閉めようとしたところ、閉まらない!そんなに大きく開けたわけではなかったので、そのまま放っておきましたが、真冬だったら大騒ぎですね。

ほかにもブラインドが下ろしにくかったり、部屋の時計が2時間以上ずれていたり、タオルが少し臭かったり、バスタブのシャワーカーテンが衛生的でなかったり、トイレの水が30分おきぐらいに勝手に流れたり...。アメリカらしいといえば、それまでですが......。

アンカレッジのホテル、アラスカ鉄道と当たりクジが続きましたが、ここにきて貧乏クジ...。

旅の記録

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