2006 秋: 2006年9月13日

Aurora in Denali

目が覚めたのは午前0時くらい。オーロラの様子を窺いにキャビンの外に出て現地ガイドさんに教えていただいたオーロラ鑑賞スポットへ。
すると、かすかにオーロラが出ています。急いで部屋に戻って三脚とカメラを用意し、再び鑑賞スポットへ。

この時期に独りでオーロラ観測というのはクマが心配だったのですが、キャビンのスタッフらしき数人の若者が近くで騒いでいてくれて丁度いいクマ除けになってくれています。

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しばらくすると宿泊客らしきアメリカ人がやって来て、話しかけてきます。

「何を撮ってるんだ?」と聞いてきたので、「オーロラ...」と言って撮影した写真を見せると、「あそこに見えているのは、オーロラか!?撮り方教えろ!!」ということで、片言の英語で撮影講習会。

しばらくして「あんたのおかげで撮れたぜ!」って見せてくれた写真は自分が撮った写真よりいい感じ!

「Wao! Great!」のひとことで意気投合。

そうこうしていると日本人の人達も何人か様子を見に来られ、「出てますか~?」と聞かれたので、「薄いけど出てますよ~」と答えて即席のオーロラ鑑賞会。

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結局、午前2時くらいまで粘りましたが、オーロラも収束して雲も出てきたので撤収。
その後、何度か外に出て様子を窺いましたが、オーロラは見えず。午前4時すぎには夜が明け始めました。

デナリでの観測は、「デナリでもオーロラを見た」というアリバイ・レベルに終わりました。残念。。

スーツケースがぁ!

オーロラを見終わった後、ツアーの集合時間まで少し時間があったので、少し寝ておくかとも思ったのですが、周囲の音が気になって寝付くことができません。

30分おきぐらいにトイレの水が勝手に流れるし、道路工事は夜間も関係なく続いているし、アラスカ鉄道は動き始めているみたいで汽笛が聞こえてくるし、レストランの厨房に付けられた巨大な換気扇は目の前で回り始めるし......。

結局、オーロラを見た後は一睡もしないままツアーに突入することに。
夕食後に4時間くらい寝ているとはいえ、今日はオーロラツアーまで長い1日。大丈夫かな...。

と思いながら、出発に備えて荷物のパッキング。
パッキングを終えてスーツケースの蓋を閉めようとしたところ、手のひらに違和感が...。「何?」と思って違和感のした手元に目を落とすと...。

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ガーン!スーツケースが割れている。。
朝、集合場所で現地ガイドさんにスーツケースが壊れていたことを伝えると、「あ~、たぶんアラスカ鉄道ですね。一応、クレームは入れますけど...」とつれない返事。

詳しく聞いてみると現地ガイドさん自身もアラスカ鉄道に荷物を預けて、スーツケースの取っ手が壊れたことがあったらしいのですが、「誰がやったか犯人が判らん!」といって何の補償もしてもらえなかったとか...。
そんな対応で良いのか!アラスカ鉄道!!

ワイルドライフツアーへ

デナリの朝はさすがに冷え込みます。この日も天候に恵まれて放射冷却も手伝って吐く息が白くなるほど。確実に気温は10度以下。バスの中は暑いだろうと思い、薄着にしたのは失敗だったか。。。

06:50に出発予定だったツアーバスは未だ到着せず。
リバーキャビン手前の橋の工事はまだ続いているらしく、その影響で遅れているとのこと。
予定時刻から遅れること約30分、ようやくツアーバスが到着。

寒さに耐え切れなくなりマッキンリービレッジの建物の中で待っていたこともあって、乗車したのはかなり最後のほう。
にも関わらず、幸運にもバス右手の窓際の席をゲット。
座席の上に置かれたボックスミールをピックアップして席につくと、すぐにバスは動き出します。

しばらくすると、頭の上のほうで風切り音がします。「窓がきちんと閉まっていないのかな~」と思って音のするほうを見ると.........。

なんと窓ガラスと窓枠の間には幅3mm、長さ10cmくらいの隙間が!!

「窓際の席が空いていたのは、この窓のせい?」と気付いたときには後の祭り。でもバスは満席なので席を変えてもらうこともできず...。今日はモノに恵まれない日なのかも......。

と、落ち込んだ気持ちのまま、いよいよメインディッシュのワイルドライフツアーが始まりました。

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公園の入口でツアーバスにもレンジャーの方が乗り込んできて、公園内での注意事項を説明されます。もちろん英語ですが...。

・動物が出てきても騒がない。
・食べ物はガム1枚さえも車外に一切持ち出さない。
・動物が出てきたら席を譲り合う

現地ガイドさんから追加でお願い。

「サファリパークではないので、動物が見えなかったり、近くに寄ってこなかったりしても、怒らないでくださいね」

実際に「動物が見えなかったからカネ返せ!」というお客さんもいるらしいです。
現地ガイドさんも大変ですね。。。

ムース渋滞

サベージ・リバーのチェックステーションを出発して10分ほど走ると、霧の海を抜けたらしく車窓には眩しい朝の日差しが戻ってきます。すると道端に顔を出したのは、アラスカ州の州鳥でもあるライチョウの群れ。10羽程度のライチョウがバスから2~3メートルしか離れていない轍を闊歩しています。手始めとしては充分な感じでしょうか。

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さらに30分ほど走ったところでテクラニカ休憩所に到着。トイレ休憩ののち、20分くらい走るとバスが徐々に速度を落とし始めて停車しました。道路上にムースが現れたとかで、ツアーバスが大渋滞しているそうです。
みなさん一斉に席から立ち上がり、「どこどこ?」と探すものですから車内も大混乱。かくいう自分も立ち上がった一人なのですが、席に腰を落ち着けて前のほうを見ると、フロントガラスの20mぐらい先の道路を悠然とムースが歩いています!いきなりこんな近くでムースを見られるなんて!

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渋滞の原因となっていたムース君(角があるので、たぶんオス)は、道路上に10分ほど居座ったのち川沿いの茂みに降りていきます。
ふと、反対側の斜面を見ると目の前に灰色の動く影が、「あっ、リス!」と思わず声を上げると、他の乗客の人たちも「どこどこ~!?」と。保護色なので、ウォーリーを探せ状態です。
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何度か立ち上がってくれたので、見つけることができましたが、動かなかったらほんとに居場所が判りません。自然ってよくできています。

ムース渋滞を抜けて30分ほどでポリクローム・パス休憩所に到着。ここには崖の側には展望台があるだけでなく、トイレの裏側にトレイルがあるのでアラスカの植物をより身近に観察することができます。訪れた日はクローズ直前、先客に食べられてしまったのかベリーの実を見ることはできませんでしたが、山々を彩る赤と黄色のモトとなる草木を間近に見ることができる絶好のトレイルです。

ポリクローム・パスを出発したツアーバスは、折り返し点のトクラットを越えて更に公園の奥に進んでいきます。今日は天気が良くてマッキンリーが見えるので、ドライバーさんの判断でストーニー・ヒルまで行ってくれるとのこと。サービス精神旺盛のドライバーさんに感謝です。

旅の記録

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