2007 秋: 2007年9月11日

ケニコットへ

ランチの準備ができる時間を見計らって、ランゲルマウンテンエアーのオフィスに戻り、ランチを受け取ってケニコットへのシャトルへ乗車。
すし詰めのシャトルに揺られること10分でケニコットに到着しました。

車を降りて少し歩くと眼前には一番のメジャー・アトラクションでもある銅の精錬所が現れました。

銅鉱の選別に使われた主塔。

ケニコットでは1911年から1938年まで銅の採掘と精錬が行われ、精錬された銅は専用の鉄道でコルドバの街まで搬出されていたそうです。
その当時の建物や鉄道の線路が今もそのまま残されているのですが、かなり老朽化も進んでいるようで、昨年は建物の上まで行けた主塔の中に今年は入場できず...。

修繕された手前の建物。なんか情趣が無い気がする。

観光地として整備するためか、老朽化した周囲の建物も改修工事を施している模様。
100年前の建物が廃れながらも残っているのが良いのに、100年前の姿を復元されてもねぇ。

世界遺産と観光開発

ここランゲル・セントエライアスに限らず、アラスカには多くの国立公園、州立公園があり、日本の世界遺産に劣らない魅力的な自然がたくさんあります。

にも関わらず、アラスカの世界遺産は、ランゲル・セントエライアスとグレイシャーベイの2個所のみ。
その理由には地元の申請が無いと世界遺産には登録されないことがあります。

世界遺産になれば遺産は本当に保護されるのだろうか...

アラスカの自然保護派の人たちは「世界遺産に登録されると観光客が大挙して押し寄せてくる。観光開発が進むと、今の自然とは違うものになる」と考えていて、世界遺産への申請をしたがらないそうです。
で、逆に開発推進派の人たちは「世界遺産になると観光以外の開発が制限される。アラスカには豊富な地下資源が眠っているのだから、観光よりも金や石油や天然ガスを採掘して儲けた方が良い」と考えているらしい。

日本の観光地では競うように世界遺産を目指していますが、アラスカでは自然保護派も開発推進派も、異なる思考の下で世界遺産になることを否定的に捉えているようです。

「世界遺産に登録されることが幸せなのか」
この場所にもその問いに対する答えが凝縮されているような気がします。

では、なぜランゲル・セイントエライアスとグレイシャーベイが世界遺産に登録されることになったかと言うと...。
安藤さん曰く「カナダ側のクルアニが世界遺産登録されてしまったので仕方なく......」だそうです。

ルート氷河トレイル

銅鉱跡の施設群を少しやり過ごした河原(氷河の場合もそう言うのだろうか...)でランチタイム。
食事を終えたらすぐに帰るのかな~と思っていると、安藤さんの提案で「氷河の近くまでハイキングをしましょう」ということに。

「...ハイキングはエンジェルロックだけかと思っていたけど...」と思いつつ、「...迎えの飛行機の時間まで、ボーっとしてるのも勿体無いしね...」と自分を納得させてハイキングに参加。

ルート氷河とケニコット氷河の合流点まで。

が、片道1時間のトレイルは、そこそこハード。
最初は平坦な黄葉のトンネルをくぐっていく楽チンコースだったのですが、途中からクリークを渡るために細かいアップダウン(おまけに豪雨で増水してるし)を繰り返したり、氷河の渕まで標高差100メートル近く降ったり...。
(もちろん帰りは100メートル近く登る訳でして...)

安藤さんは「エンジェルロックへのウォーミングアップにはもってこい」って言ってたけど、これでウォーミングアップってエンジェルロックはどんだけ大変なんですか...。

絶景三昧

ルート氷河へのトレッキングから戻ると、しばらくして迎えのバンが来ました。
行きと同様に満席のバンに揺られてマッカーシーの飛行場へ。

帰りも軽飛行機による遊覧フライト。
今度は安藤さんといっしょのフライトになったので、パイロットさんのガイドも的確に通訳してくださいます。
「今日は天気が良くてマッキンリーも見えたらしい」とか、「あれがランゲル山」とか。

朝のフライトは紅葉が際立っているように感じましたが、夕方のフライトでは黄葉が際立っているように感じます。同じコースを飛んでいるのに、行きのフライトとは大きく印象が異なります。

植生のグラデーション一直線のハイウェイウィロー湖のパノラマ

チットナからは再び自動車に乗ってコッパーセンターまで。
途中の景色がすごくきれいだったので、ハイウェイのとレイクで停車して写真撮影。

朝はガスがかかっていたし、急いでいたので気付かなかったけど、このあたりの景色は雄大で、すんごいキレイ。

二度の写真撮影で時間を要したこともあり、コッパーセンターに戻ってきたのは、予定より少し遅れて19時過ぎでした。

旅の記録

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